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身近に潜む盗聴・盗撮の実態

「盗聴」や「盗撮」という言葉をよく耳にするようになったと感じませんか?
大部分の人が、盗聴や盗撮は、映画やテレビの中の出来事で、自分には関係のないことだと思っています。

しかし、盗聴・盗撮の被害は確実に拡大しています。問題は、被害者がそのことに「気付いていないこと」なのです。
まさに、あなたが知らないうちに、あなたのプライバシーや会社の企業秘密などが「盗み聞き」、「盗み見」されているのです。

現代では、盗聴や盗撮は特別な人だけが関係する犯罪ではありません。
普通の人が、普通に生活していても、盗聴や盗撮の被害に遭う可能性は十分にあります。

重要なことは、盗聴や盗撮が自分にも起こるかもしれないと言う、危機意識を持つことです。
「もしかしたら盗聴・盗撮されているかも知れない」と注意することで、日常生活のちょっとした変化にも気付くことができます。


盗聴・盗撮は罪にならない?

現在、日本には、「盗聴」や「盗撮」することそのものを取り締まる法律はありません。 電波法、電気通信事業法、有線電気通信法では、「通信の秘密」についての規定があります。これは、盗聴した内容を公開することなどを規制するものですが、数年の懲役か数十万円の罰金刑です。

1W以上の出力の無線式盗聴器を仕掛けた場合には、電波法違反となります。また、現在使用されているほとんどの盗聴器は電波法で規制されていない周波数を使用しています。

そのほか、盗聴器を仕掛けるために他人の家屋に無断で侵入すれば住居侵入罪、盗聴器を仕掛けるため他人所有の建物に造作を加えたり穴を開けたりすれば器物破損、盗聴器の電源を勝手に使用する場合には窃盗罪などが適用されます。 このように、現在の法律では、盗聴に関わるさまざまな行為について間接的にしか取り締まることができないのが現状と言えるでしょう。

また、社員が自分のオフィスに盗聴器を仕掛けたり、それによって会社に不利益を与える場合には、刑法の背任や特別背任に問われる可能性があります。

2000年に成立したストーカー行為規制法では、「つきまとい等」として、盗聴や盗撮を規制することができますが、これは恋愛や性的関心、怨恨など個人を対象としているものです。 自分だけが楽しむために更衣室やトイレなどを盗聴・盗撮した場合には、軽犯罪法違反となりますが、30日未満の拘留か1万円未満の科料(罰金)で済み、その罰則はかなり軽いと言わざるを得ません。


ハイテクが盗聴・盗撮を助長?

「盗聴器」や「盗撮器」というと、専門家が特別なルートで入手しているかのようにも思われますが、実は誰でも簡単に入手することができます。

技術の進歩により、小型で高性能の盗聴器や盗撮器が、ちょっとしたお小遣い程度の価格で購入できるのです。

これまでは、盗聴器・盗撮器を入手するには、東京の秋葉原や大阪の日本橋などの電気街で購入することが主流でした。 しかし、インターネットの普及により、日本中どこに住んでいても、手軽に盗聴器や盗撮器を入手できるようになりました。

現在市販されている盗聴器や盗撮器は、箱型やカード型など、小型化が進んでいます。また、その形状も、コンセント型、電卓型、電話機型、ボールペン型など実に多種多様です。 さらに最近では、携帯電話を応用した盗聴器なども登場しています。

一見、入手するのが困難に見える盗聴器・盗撮器ですが、すでに、盗聴器や盗撮器は、「特別な機械」ではないのです。 実際に、盗聴器の市場は年間20万台規模で成長を続けているとも言われ、その市場規模は10億とも言われているのです。


普通の人が狙われる?

盗聴器や盗撮器が入手しやすくなったことで、盗聴・盗撮の被害に遭う一般の人が増えてきています。

では、どういった人が盗聴や盗撮をするのでしょうか。 まず挙げられるのは、一説には200万人を超えるとも言われる盗聴・盗撮マニアです。

さらに、最近はストーカー行為としての盗聴・盗撮も増加しています。

そして、ライバル企業の情報を収集する目的で、普通の企業に勤める普通のサラリーマンが盗聴を行うというケースも珍しくありません。

このように、普通の人が普通の人を盗聴したり、盗撮したりするケースが増えてきているのです。 盗聴・盗撮の可能性は至る所に存在しています。たとえ、あなたに心当たりがない場合でも、盗聴や盗撮の被害に遭う可能性は非常に高いのです。

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